寒暖差が大きく肥沃な気候・風土が特徴の「京都丹波」。
この豊かな自然環境の中で、丹波くり、京丹波大黒本しめじ、紫ずきん、京みず菜、京壬生菜、九条ねぎ、えびいも、伏見とうがらし、賀茂なす、鹿ヶ谷かぼちゃ、聖護院だいこん、聖護院かぶ、祝(酒米)などの京のブランド産品が数多く栽培されており、伝統的な知恵を活かした人にも自然にも優しい「発酵」食品を扱うグルメスポットが点在しています。
昔ながらのものだけではなく、新しい発酵食品も味わうことができる「森の京都」と呼ばれるエリア。
連載第三回目となる今回は、発酵グルメに加え、発酵を体験できるスポットをご紹介します。
1.発酵人間
かやぶきの里をはじめ、豊かな緑と清流、古き良き日本の原風景が残る、京都・美山町にある酵素風呂の体験施設。完全予約制の貸し切りプライベート空間で、お一人から、友人や恋人、子ども連れのファミリーでも気兼ねなく楽しめます。
発酵人間の酵素風呂は、地元のヒノキ材から出たおがくずと、農家さんの米ぬかを使用し、人に有用な菌を加え、微生物の力による“発酵熱”で体を温めます。
地域循環をテーマにした、カラダにやさしい発酵温浴です。
ガスや電気を使わずに約70度まで発熱しますが、体感温度は40度ぐらい。
自然農法を行う農家が育てた野菜で、ご近所の「発酵マイスター」がつくるお弁当(要予約)もあります。
自然豊かな美山町で春夏秋冬、四季折々の自然の表情楽しみながら、心も体も、芯まで温まってリラックスできます。
電話/090-9547-4410
営業時間/9:00~19:00(最終受付17:00)
※予約枠9:00~、11:00~、13:00~、15:00~、17:00~
定休日/火曜・水曜
所在地/京都府南丹市美山町大野文字畾地5-2
※取材時の情報のため、最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。
2.竹岡醤油
明治三年に創業した老舗の醤油蔵元である「竹岡醤油」では、昔ながらの“製法と手作り”にこだわっており、京都で唯一の「寒仕込長期天然醸造」の醤油を作り続けています。
また、素材を仕入れてから完成まですべての工程を同じ蔵で行う「一貫工程の製法」を行っている全国的にも希少な蔵元です。
竹岡醤油では、もう一つの特徴として、蔵内全体に“モーツァルト”の曲をBGMとして流しています。この手法は、福島県の酒造メーカーをはじめ、味噌やお茶、乳牛、農作物など、多くの業界で取り入れられており、モーツァルトの良質な音の振動で、発酵の素となる醸造菌たちを活性化させているそうです。
塩分を極力下げた“体にやさしい健康志向”の醤油づくりにこだわった「竹岡醤油」の純国産本格醸造醤油。王道のクラシックシリーズをはじめ、出汁を加えた旨だしシリーズなど多彩なラインナップが揃っています。
伝統の製法を守りつつ、モーツァルトBGMや低塩醤油など、新しいコトに取り組む、5代目の竹岡忠晃さんと、6代目の竹岡晃一さんの親子二代の職人技を五感で味わってみてはいかがでしょうか。
電話/0771-26-3007
営業時間/9:00~18:00(電話対応19:00)
定休日/不定休
所在地/京都府亀岡市本梅町東加舎磐ノ上9番地
※取材時の情報のため、最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。
3.大石酒造
和食のおいしさを引き立てる日本酒は、麹菌による糖化と酵母による発酵を同時に進行させる「並行複発酵」という、世界的に珍しい高度な醸造方法で作られています。
江戸時代(元禄年間)に創業した「大石酒造」もまた、約300年に渡り、伝統的な生酛仕込み・寒仕込みを守り続けている生酛蔵のひとつです。
「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2020」本醸造の部金賞及びトロフィー賞を受賞した「美山てんごり(左)」と、丹波の酒米、芦生美山の原流水を使用した地酒「翁鶴(右)」など、個性的な日本酒が多数揃っています。
丹波路『酒の館』亀岡本店では、1Fに、詰めたてのお酒や丹波の特産品の売店、きき酒コーナーがあります。2Fの酒造り資料展示室では、伝統の酒造りの様子や生酛造りの解説など、酒造りについて学べます。
また、「かやぶきの里」で有名な美山にある「美山路『酒の館』美山蔵」では醸造と酒蔵見学(要予約)ができるほか、直売所もあります。
丹波杜氏が“発酵の技”で醸す手造りの地酒が購入できるだけでなく、無料見学も可能なのは嬉しいですね。
電話/0771-22-0632
営業時間/9:00~18:00(見学は16:00までに入館)
定休日/木曜(不定期) 盆・正月
所在地/京都府亀岡市ひえ田野町佐伯垣内亦13
※取材時の情報のため、最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。
4.道の駅 和・京丹波 味夢の里
主に魚とご飯、塩を材料に乳酸“発酵”させた保存食である「なれ寿司」は、全国各地で作られてきましたが、越前若狭と京都を結ぶ街道「鯖街道」で古来より作られてきた和知の「鯖のなれ寿司」は、伝統の保存食です。
和知の「鯖のなれ寿司」は、魚介類が手に入りにくかった山村の「お正月のおもてなし料理」として、各家庭で作られており、今も道の駅などで購入することができます。
チーズのような芳醇な香り、ほどよい酸味とうま味のハーモニーがお酒にとても合うと評判です。
和知の美味が集まる「道の駅 和」では、この「鯖のなれ寿司」が購入できるほか、季節ごとに楽しめる美味フェアやイベントが盛りだくさん。
地元の人がアイデアを出し合って開発したカレーや黒豆を使ったカステラ、ジビエ料理など、ここでしか味わえない美味がいっぱい。
電話/0771-84-1008
営業時間/売店(特産品販売所)8:30~18:30(11〜3月は~18:00)
和キッチン 11:00~17:00(L.O.15:30)
喫茶 9:00~17:00
鮎ガーデン(夏季限定6/19〜9/末) 11:00~21:00
道路情報センター 9:00~18:00
定休日/火曜(祝日の場合は営業)※臨時休館日あり
所在地/京都府船井郡京丹波町坂原上モジリ11
※取材時の情報のため、最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。
京都縦貫自動車道で食事や買い物ができる「道の駅 京丹波 味夢の里」。施設内の「京丹波マルシェ」では、地元で採れたばかりの新鮮な野菜や加工食品、お土産が並びます。
特産の黒豆を使った黒豆味噌や漬物、醤油をはじめ、ワインや日本酒、ピクルス、ヨーグルト、チーズなど、京丹波で作られるさまざまな発酵食品が購入できるので、ぜひ立ち寄りたいスポットです。
電話/0771-89-2310
営業時間/詳細は公式サイトをご覧ください
定休日/無休
所在地/京都府船井郡京丹波町曽根深シノ65番地1
※取材時の情報のため、最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。
三回にわたり京丹波地域の発酵食、発酵体験をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
京都市からほど近い京丹波で、これほど多くの個性的な発酵食品が生み出され、伝統と共にその味を守り続けています。
健康的な側面からも注目されることが多い発酵食品を求め、おでかけも兼ねて一度京丹波エリアに足を運んでみてはいかがでしょうか。
きっと新たな出合いが待っているはずです。
・連載記事①発酵食レストラン巡り
・連載記事②発酵食品購入スポット紹介
※本記事の詳細情報は、「森の京都・京都丹波×ウェルネス 発酵」ページにも記載されております。